2009年11月09日

PTA愛育部にて - その2

私はPTAの「愛育部」に所属しています。先週の金曜日は、その月例の活動日でした。「愛育部」というところは、「安全マップ」や「子ども110番の家」の依頼や管理など、「いかのおすし」に非常に近いところで活動しています。おそらく学校によっては直接「いかのおすし」を実行する部門にもなるのでしょう。幸いなことに、息子の学校ではそうではありません。

さて、金曜日はいくつかの手違いから活動らしい活動は何もなかったのですが、印象に残ったことがひとつありました。

「安全マップ」に追加すべき情報がないかどうかアンケートをとるのですが、今年はほとんど反応がありませんでした。おそらく積年の情報で危険と思われるものは出尽くしているのでしょう。ただ、ひとつだけ、「ちょっと違うかもしれないけれど」と提出された情報がありました。それは、「ここの住民が子どもを怒鳴りつけたり追いかけたりします」というもの。確かに「安全マップ」に載せるような情報ではありません。それは衆議一致し、まあ困っておられるのなら学校か自治会にでも調査してもらおうというようなことでその場はおさまりました。

すると、あるお母さんが、「うちの近くでも子どもを追いかける人がいる。うちの子どもがこの間、『全力で逃げた』と言っていた」と言ったのです。何人かのお母さんが頷きました。「警察に連絡したらパトロールを強化してくれるよ」と言ったお母さんもいました。

私は、こういった不安が、「治安が悪化している」という風説、そして「いかのおすし」的教育の背景にあるのかもしれないと思いました。不安の実体は、幻などではなく、子どもの報告のなかに現に存在するわけです。

私は、このような不安を根拠のないものだと退けるつもりはありません。しかし、たとえば「大人に追いかけられる」という危機が、いったいどういうものなのか想像ができないのです。というのは、ごくまれにニュースで聞くような通り魔事件を除けば、子どもが大人に追いかけられた末に危害を加えられるというような事例を私は知らないからです。そして、こういった通り魔事件は、ニュースになるほど珍しく、日常的に発生するものではありません。ところが「追いかけられた」というような報告は、このお母さんの経験のように、日常的に発生しているのです。その全てといわず数パーセントでも、「通り魔事件」的な要素をもっていたとは考えにくいことです。もしそうなら、通り魔事件はもっと頻繁に発生しているはずだからです。

どこかに、何かの誤認があるのかもしれません。あるいは、私の想像のつかないような危険が、日常的に存在するのでしょうか。私はこれまで、子ども同士の喧嘩の現場は何度か見たことがありますが、子どもが大人に一方的に危害を加えられている現場は見たことがありません。限られた自分の見聞だけをもとに判断すべきではないのかもしれませんが、少なくともそういった異常な事件が、子どもの報告ほどには、日常的に多発しているのではないことは間違いないと思います。

振り返ってみれば、私の子どものころの日常は、けっこう恐怖にあふれていました。「あそこにはキチガイがいて追っかけてくる」みたいな噂は子どもの間でも流布していましたし、何となく大人に睨まれているような気がして駆けて帰ったこともあります。そのうちのどれだけが本当に危険につながっていたのかは、いまとなっては検証のしようもありません。

大人であれば、その検証ができると思うのです。今度そういう話を聞いたら、できるならばその危険が本当に危険であるのかどうかを調べてみたいと思います。安直にパトロールを強化するようなことだけが本当の安全をつくるのではないと思うからです。まして、無意味な「いかのおすし」を強化するべきではないとも思います。

PTA活動とは無関係に、そんなことを感じた金曜日でした。

posted by 松本 at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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