2009年10月02日

PTA愛育部にて

今日、月に一度の定例のPTA愛育部のミーティングがありました。「安全マップ」というのに記載する「子ども110番の家」募集に関する依頼文発送というのが、今日の活動内容でした。「子どもの安全」ということではかなり「いかのおすし」に近い活動です。けれど、実質的な子どもに対する影響という面では、かなり違ったものだと私には思われました。

確かにどちらも「不審者が子どもの安全を脅かしている」という思い込みを前提にした「不審者対策」ではあるのですが、「いかのおすし」が100%それに向けられているのに対し、「安全マップ」や「子ども110番の家」は、子どもが危険に陥る事故・事件全般を対象にしたものです。「危険を感じたらここに助けを求めましょう」というのは、「人をみたら泥棒と思え」式の教えとはだいぶ違います。「見知らぬ人であっても必要があれば助けを求めましょう」というのは、人間同士の本来あるべき信頼を根底とした考え方です。こちらの方が、同じ前提から出発してもはるかにマシではないかと、私には思えます。

実際、「困った事例」として、「子ども110番の家のステッカーをはっていると勘違いした子どもがトイレを借りにきたり、喉が乾いたから水をくれといってきたりする」という苦情があったそうです。しかし、これは苦情を言うようなものではなく、これこそが本来のあるべき姿ではないかと私には思えるのです。ステッカーを貼っていようがいまいが、気軽に他人にものを頼める地域社会こそが、本当の意味で子どもの安全と健全な発達を確保する上で重要なのだと思うのです。道を尋ねただけで不審者扱いされるような「セキュリティ意識」の高い社会には住みたくありません。

ともかくも、私の学校のPTAでは「いかのおすし」活動に積極的ではないということがわかって一安心したのですが、やはり「愛育部」というのはそれにいちばん近い活動をするところです。前回私はうっかり欠席をしてしまっていたのですが、前回の活動は「安全マップに関するアンケート」の配布でした。その集計は今後になると思いますが、過去のアンケート結果がファイルされていたので、待ち時間にそれを眺めていました。保護者の「安全」に関する意識が伺えて、興味深いものでした。

まずひとつは、アンケート回収率が非常に低いということです。過去2年分合わせて10件弱の回答があったに過ぎません。配布数の1%程度でしょうか。つまり、ほとんどの保護者は子どもの安全を、警察や学校が喧伝するほどには不安視していないということが伺えます。

そして、回答の大部分が、交通安全に関する不安でした。「この交差点は見通しが悪いので危ない」とか、「ここにガードレールを新設して欲しい」といったものです。「不審者」に関連した不安と思われるものは、「この道は下校時に人通りが少ない」とか「冬の夕方には暗い」といった指摘が合計2件か3件あっただけです(回答1件あたり複数の指摘があったので、全指摘数は20件弱になります)。その他、「遊び場として危険」に類するものが1件あったので、結局、8割ほどが交通安全で、1割強が不審者関連ということでしょう。「安全崩壊神話」といわれますが、不安感の実態としてはこの程度のようです。この実態から考えれば、「いかのおすし」が突出しているような気がするのは私だけでしょうか。

ちょっと欠席が続いた不真面目な役員の私としては、今回は直接「いかのおすし」に関する話題を持ち出すのははばかられました。もうちょっと他の役員の人と面識が十分にできたら一度意見を聞いてみようと思います。

けれど、けっこう待ち時間があったので、他のお母さんと雑談をすることができました。その中で印象に残ったのは、「うちの子が公園で木登りをしていたら、わざわざ電話をかけて注意してきた人がいた。子どもの木登りぐらいさせてやったらいいのに」というお母さんがいたことです。「うちの子は慎重過ぎて公園でしか遊ばない。子どもって、もっと冒険するものだと思うのに」と、別なお母さんは言っていました。つまり、子どもの安全は大切だけれど、あまりにそれを重視しすぎて子どもの自由を奪ってはいけないと、当たり前のバランス感覚をきちんともっておられるお母さんが多いようです。これはちょっと、ほっとする事実でした。

結局は、バランスが重要なのだと思います。一方的に「知らない人」を悪者と決めつける「いかのおすし」は、それ自体があまりにもバランスを欠いています。考案者の方々は、それに気がつかなかったのかと、不思議に思います。それよりも不思議なのは、それを推進して何とも思わない学校関係者です。このあたり、今後もうちょっと究明できたらなと思っています。
posted by 松本 at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/129337383

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。