2009年09月12日

キャンペーンに意味はあるの?

「いかのおすし」が嫌だなあと思ってこのブログを書き始めた私ですが、「いかのおすし」について考えていて、さらに疑問が広がりました。そもそも、「いかのおすし」に代表されるようなキャッチフレーズやそれを展開したキャンペーンって、意味があるのでしょうか。

発想は理解できます。警察や学校、政府には、広く伝えたいメッセージがあります。たとえば「いかのおすし」の場合、「子どもの連れ去り犯罪防止」です。そのメッセージは、そのままでは伝わりません。たとえばお役所式の堅苦しい文書で配布したところで、誰も読んでくれません。そこで、メッセージをわかりやすい形で伝えるため、キャッチフレーズが考案されます。キャッチフレーズはつくっただけでは広まりませんから、さまざまなキャンペーンを通じて浸透をはかります。

こういった考え方の流れは理解できます。けれど、ひとつの発想があることと、それが有効であることとは大きくちがいます。「メッセージをそのまま伝えるよりはわかりやすいキャッチフレーズにしてポスターやキャラクターを使ったキャンペーンを展開すれば効果があるだろう」と考えるのは合理的です。けれど、この合理性は検証されていません。ひょっとしたら、合理的に考えたことが、実は的外れだということもあり得るのです。

キャッチフレーズは、本当にメッセージを正しく伝えるものなのでしょうか。キャンペーンは、メッセージの浸透に役立っていますか? 検証されないアイデアは、机上の空論です。

たとえば、観光客誘致のために地方自治体がキャッチフレーズを考え、キャンペーンを展開することはよくある話です。観光客増加による経済効果が○十億円とか試算され、キャンペーンのために投下される数千万円は安いものだと皮算用が生まれます。ところが往々にして、こういったキャンペーンは検証されません。確かにその夏、観光客は増えたかもしれません。けれどそれがキャンペーン効果なのか、たまたまその夏の猛暑のせいだったのか、判定ができないかもしれません。そして何より、そのキャンペーンのために費やされた予算(+予算に含まれない通常人件費)がもっとも有効な使い方であったかどうかはさらに検証が困難です。たとえば同じ額の予算を施設の整備にあてたり利便性の向上にあてた方が観光客の満足度が高まり、長期的には効果が高かったかもしれません。

同じだけの資源を投下するなら、効果は高い方がいいに決まっています。そして、キャンペーンやキャッチフレーズは、本当に投資効果の高い方法なのでしょうか。

学校の現場は、非常に忙しいものになっています。教職員のもっとも重要な役割は子ども一人一人に目線を向けてその発達により添うことだと思います。それだけでも相当なエネルギーをとられるのに、数多くの事務仕事に忙殺され、本来の仕事が十分にできないことも多いようです。

そして、そういった事務仕事にさらに負担を増加させているのが、「いかのおすし」のようなキャンペーンではないのでしょうか。学校という組織の本来の機能を考えたら、これは投資効果が高いどころか、投資効果を下げる役割しか果たしていないのではないでしょうか。

もっと賢いやり方がないのかと、疑問に思うのです。


posted by 松本 at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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